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2014 年度 実施状況報告書

セレンの農耕地生態系での動態と作物による吸収

研究課題

研究課題/領域番号 26450082
研究機関宮城大学

研究代表者

木村 和彦  宮城大学, 食産業学部, 教授 (10183302)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードセレン / セレン酸 / 亜セレン酸 / セレノシステイン / セレノメチオニン
研究実績の概要

本研究の目的は,セレン酸,亜セレン酸,セレン含有アミノ酸などの形態に注目し,土壌中でのセレンの形態変化と植物による吸収を明らかにすることである。
本年度は,新たなセレンの形態別測定方法を導入することをまず検討した。従来のセレンの形態別分析では,HPLCで成分を分離しながらセレンを検出していた。この方法は広く用いられているが,1サンプルあたり約10分と時間がかかるのが難点であった。そこで,水素化物装置と組み合わせることで時間の短縮をはかった。この方法でセレン酸と亜セレン酸を分離することは広く行われているが,新たに有機態と組み合わせる方法として有機態を酸分解で無機セレンに変化させることで,差し引き法で形態別分析を行うことを試みた。なお,セレンの検出にはマイクロ波プラズマ原子発光分光分析装置(MP-AES)を主に用い,ICP-MSも必要に応じて用いた。
その結果,無機セレンに関しては5ppb前後まで形態別のセレンを測定することができるようになった。しかし,有機セレンは安定して測定できるにはやや難があった。濃度が低いのと,差引法による不安定さが原因であると推察される。
なお,硫黄化合物としてメチオニンあるいはシステインも合わせて測定する予定であったが,こちらは未着手である。
また,ポット試験によりセレンの形態変化を追跡する予定であったが,形態別分析方法が完全ではないため,十分に検討を行うことはできなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

水素化物発生装置として従来の原子吸光などで広く用いられるタイプの装置を用いたが,水素化物を安定的に検出装置まで導入できないため,必要な精度や感度での測定ができなかった。しかし,プラズマ分光分析装置を前提とした新たな水素化物発生装置を導入し,測定の目処がついてきた。

今後の研究の推進方策

水素化物発生装置では,セレノシステインとセレノメチオニンの区別がつかない欠点がある。当初は,セレノメチオニンが主な有機態の形態であると想定していたが,材料によってはやはり区別が必要であることがわかってきた。そこで,これまでのHPLCの分離に改良を加えて検討することにする。具体的には,分離カラムとして陰イオン交換カラムを用いていたのを,ヒ素の形態別分析で使用されるODSに修飾基を付与したカラムに変更する。さらに,ICP-MSでさらに高感度にするためのガスの調整を行う。

次年度使用額が生じた理由

実験に遅延が生じたため,予定の測定が未実施となり当該年度に残予算が出たため。

次年度使用額の使用計画

前年度測定予定のものを次年度に繰り越して使用する。

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公開日: 2016-05-27  

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