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2015 年度 実施状況報告書

亜硫酸シグナルによる環境中の硫黄センシングと同化制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26450091
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

大津 厳生  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (60395655)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード大腸菌 / 硫黄同化(代謝) / システイン(代謝) / アミノ酸発酵 / レポーターアッセイ / 遺伝子発現
研究実績の概要

平成26年度に構築したメタボロミクスによるアプローチに続き、平成27年度では、硫黄分子センシング機構(2)硫黄代謝関連酵素群のタンパク質発現プロファイリングシステムの構築を行った。具体的には、自発的に発光するルシフェラーゼを発現するプラスミドpLuxを用いて、大腸菌の硫黄同化や中央代謝経路に関連する遺伝子群の発現変化を測定できるシステムの構築を目指し、大腸菌における生細胞内の代謝変化に伴う各硫黄代謝関連遺伝子の発現プロファイルを経時的にかつリアルタイムに解析するレポーター遺伝子アッセイシステムを構築した。平成27年度では、構築したシステムの検証とその応用も行った。本システムを用いた検証では、cysPTWAMオペロン由来のプロモーターではなく、cysM独自のプロモーターPcysM2を同定することができた(5’- TTGCTC -17bp- TAGGTT -3’)。このことから、本システムはプロモーター活性を問題なく測定できることが証明された。したがって、本システムのレポーター株コレクションを用いれば、硫黄代謝に限定して網羅的に遺伝子の発現プロファイルを経時的にかつリアルタイムに解析することが可能である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

平成27年度の達成目標である硫黄分子センシング機構(2)硫黄代謝関連酵素群のタンパク質発現プロファイリングシステムの構築を行い完了した。また、RSSのシグナル伝達についても解析を開始し、cysM遺伝子の新たなプロモーター領域を同定した。

今後の研究の推進方策

RSSのシグナル伝達解析のために平成26-27年度と、1)LC-MSMSを用いた硫黄のメタボローム解析システムの構築、2)ルシフェラーゼを用いた硫黄同化関連遺伝子群の遺伝子発現プロファイリング解析システムの2つのシステムを構築した。平成28年度は、これらをフル活用して、RSSシグナル伝達の解明に取り組む。

次年度使用額が生じた理由

平成27年度3月から4月にかけて、研究拠点の移動が生じた。そのため次年度に消耗品費が計上される。

次年度使用額の使用計画

5月からその時間的ロスを効率的な研究を進めることで補填し、掲げた研究成果をきちんと出す。ここで言う効率的研究とは、ディスポやキット類を活用して進め、効率を上げる。そのための費用に活用いたします。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Vacuolar amino acid transporters upregulated by exogenous proline and involved in cellular localization of proline in Saccharomyces cerevisiae2016

    • 著者名/発表者名
      Ikuhisa Nishida, Daisuke Watanabe, Ariunzaya Tsolmonbaatar, Tomohiro Kaino, Iwao Ohtsu, and Hiroshi Takagi
    • 雑誌名

      The Journal of General and Applied Microbiology

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeにおけるチオ硫酸同化経路の解析2015

    • 著者名/発表者名
      辰巳恭平, 大津厳生, 舟橋依里, 河野祐介, 高木博史
    • 学会等名
      第33回イーストワークショップ
    • 発表場所
      せとうち児島ホテル(岡山県倉敷市)
    • 年月日
      2015-11-15 – 2015-11-16
  • [学会発表] 分裂酵母Schizosaccharomyces pombeの無機硫黄同化経路の解析2015

    • 著者名/発表者名
      秦野智行, 氏本貴仁, 河野祐介, 大津厳生, 高木博史
    • 学会等名
      第33回イーストワークショップ
    • 発表場所
      せとうち児島ホテル(岡山県倉敷市)
    • 年月日
      2015-11-15 – 2015-11-16
  • [学会発表] 大腸菌における硫化水素生成機構2015

    • 著者名/発表者名
      氏本貴仁, 秦野智行, 大津厳生
    • 学会等名
      平成27年度国立遺伝学研究所研究会「細菌細胞の増殖と代謝研究会-細菌細胞の増殖と分化研究の新展開」
    • 発表場所
      国立遺伝学研究所(静岡県三島市)
    • 年月日
      2015-11-07
  • [学会発表] 大腸菌における新規な有機性硫黄化合物の発酵生産2015

    • 著者名/発表者名
      西口みゆ, 河野祐介, 大津厳生
    • 学会等名
      平成27年度国立遺伝学研究所研究会「細菌細胞の増殖と代謝研究会-細菌細胞の増殖と分化研究の新展開」
    • 発表場所
      国立遺伝学研究所(静岡県三島市)
    • 年月日
      2015-11-07
  • [学会発表] 若手研究者が切り拓く合成代謝工学による有用物質生産のための新しい技術紹介と実用化への挑戦:メタボローム解析を用いた地球規模での硫黄代謝工学2015

    • 著者名/発表者名
      大津厳生
    • 学会等名
      第67回日本生物工学会大会シンポジウム
    • 発表場所
      城山観光ホテル(鹿児島県鹿児島市)
    • 年月日
      2015-10-28
  • [学会発表] 若手研究者が切り拓く合成代謝工学による有用物質生産のための新しい技術紹介と実用化への挑戦:「硫黄代謝」から見える細胞代謝の世界 ~サルファーインデックス解析の活用による合理的な分子育種~2015

    • 著者名/発表者名
      河野祐介, 秦野智行, 大津厳生, 高木博史
    • 学会等名
      第67回日本生物工学会大会シンポジウム
    • 発表場所
      城山観光ホテル(鹿児島県鹿児島市)
    • 年月日
      2015-10-28
  • [学会発表] 意外と知らない硫黄同化を最大限に利用した有用物質生産2015

    • 著者名/発表者名
      大津厳生
    • 学会等名
      日本生物工学会関西支部 第107回醗酵学懇話会
    • 発表場所
      サントリーワールドリサーチセンター(京都府相楽郡)
    • 年月日
      2015-08-20
    • 招待講演
  • [学会発表] 微生物の硫黄同化機構の解明と硫黄分子種による新たな様式のシグナリングおよび細胞内フローの可能性2015

    • 著者名/発表者名
      河野祐介, 鈴木茉里奈, 仲谷 豪, 大津厳生, 高木博史
    • 学会等名
      第15回日本NO学会学術集会
    • 発表場所
      千里ライフサイエンスセンター(大阪府豊中市)
    • 年月日
      2015-06-26
    • 招待講演
  • [備考] ストレス微生物科学研究室

    • URL

      http://bsw3.naist.jp/takagi/?page=874

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公開日: 2017-01-06  

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