フランキア(Frankia属)は窒素固定能を持つ放線菌であり、窒素固定に特化した球状構造体(ベシクル)を発達させる、窒素固定(nif)遺伝子の発現調節系が他の窒素固定細菌と異なる等の特有の性質を持つ。 私たちは窒素固定の行えないフランキアの変異株を49単離した。それらはベシクルの数やサイズ、膜厚に異常を示した。また、ほとんどの変異株でnif遺伝子の発現が大幅に低下していた。よってこれらの変異株は、ベシクルの分化やnif遺伝子の転写制御に関わる遺伝子が変異していると考えられた。変異株と復帰変異株のゲノム解析を行うことにより、1つの変異株については変異原因遺伝子を特定することができた。
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