植物性食品に含まれるグルコシルセラミド(GluCer)をセラミドに転換することで、その生理効果を高めることを目標として、GluCer水解能の高い新規菌をイヌの糞便より単離した。本菌はGluCerを分解してセラミドを生成するが、セラミドを分解することなく蓄積するので、本菌の利用により多量の植物性セラミドを回収することが可能となった。GluCerを給与したマウスに、本菌を投与すると、①GluCer水解が増加すること、②大腸炎モデルマウスでは炎症の重篤化が緩和されることを示した。本新規菌の活用(プロバイオティクス等)による食事性GluCerの生理効果の増大と、疾病の予防と抑制への応用が期待される。
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