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2016 年度 実績報告書

植物の細胞生死を制御するジスルフィド産生系の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 26450116
研究機関愛媛大学

研究代表者

恩田 弥生  愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (70368463)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード植物 / 酵素 / ジスルフィド結合
研究実績の概要

ジスルフィド結合はタンパク質の構造及び機能を決定する重要な化学結合であり、小胞体において一連の電子伝達反応、即ち、ジスルフィド産生反応とそれに続くジスルフィド伝達反応により基質タンパク質へ導入される。小胞体は分泌タンパク質や膜タンパク質のフォールディングや品質制御を司る多様な酸化還元酵素群を有する。平成26年度及び平成27年度の研究成果に基づき、平成28年度はイネ(Oryza sativa)のジスルフィド伝達酵素PDI(プロテインジスルフィドイソメラーゼ)とジスルフィド産生酵素QSOX(Quiescinスルフヒドリル酸化酵素)の機能解析を進めた。
イネPDI1;1は小胞体内腔に局在するチオール-ジスルフィド酸化還元酵素であり、活性部位システインペアを有する。システイン/アラニン変異型PDI1;1を発現する形質転換植物系統を作製・選抜し、胚乳細胞における貯蔵タンパク質のジスルフィド結合形成と分別集積・輸送への影響を調べた。生化学的解析及び顕微鏡解析の結果、システイン/アラニン変異型PDI1;1を発現する小胞体内腔では誤ったジスルフィド結合の形成とタンパク質の凝集が促進され、二種のタンパク質貯蔵オルガネラ(小胞体由来及び液胞由来)の発達が著しく阻害された。PDIはジスルフィド産生酵素から基質タンパク質へのジスルフィド伝達反応を触媒し、一方、QSOXはジスルフィド産生反応とジスルフィド伝達反応の両者を触媒する。胚乳細胞特異的プロモータ制御下、QSOXを発現抑制した形質転換植物は稔性の低下を示した。野生型細胞とは異なり、QSOX変異型細胞ではプロラミン(主要な貯蔵タンパク質の一つ)を含む異常なタンパク質凝集体の形成が促進された。

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公開日: 2018-01-16  

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