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2014 年度 実施状況報告書

MRIに基づく匂いやフェロモンを識別する嗅神経回路の解析

研究課題

研究課題/領域番号 26450129
研究機関熊本大学

研究代表者

吉永 壮佐  熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 助教 (00448515)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード匂い / フェロモン / 脳・神経 / MRI / 嗅覚 / 嗅球 / 副嗅球
研究実績の概要

【研究目的】多くの動物は、種の保存や生命の危機回避において、嗅覚を通じて外界から様々な情報を得ている。フェロモンや匂い物質といった化学物質がその情報の担い手であり、情動や行動、生理的変化を引き起こす。申請者らは、連携研究者との共同研究のもと、メスマウスの性行動を誘発するペプチド性フェロモンESP1について、物質同定、受容体、性行動に至る一連の構造機能解析を展開してきた。本研究は、これらの知見を発展させ、性行動を誘引するフェロモンや匂いを識別する神経伝達経路をMRIによって包括的に明らかにし、可視化することを目的とする。

【研究実績】①嗅神経回路のMRI撮像条件の検討:匂い物質を検知する嗅上皮と嗅球、フェロモンを検知する鋤鼻器官と副嗅球のMRI撮像条件の検討を進めた。
②メスに作用する匂い物質・フェロモンによる脳内の活性化部位の同定:オスから分泌されメスを誘引する匂い物質により、マウス嗅球上の特定部位が活性化されることをMRI法により明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

嗅神経回路のMRI撮像条件の検討を行うことにより、オスから分泌されメスを誘引する匂い物質による嗅球の活性化を捉えることに成功した。しかしながら、オスから分泌されメスを誘引するフェロモン物質による副嗅球の活性化を捉えるまでには至っていない。条件検討を進めている最中である。

今後の研究の推進方策

①嗅神経回路のMRI撮像条件の検討
嗅球と副嗅球のMRI撮像条件の最適化を行い、また、より高次の嗅覚神経系を構成する脳内の嗅皮質、扁桃体や視床下部の撮像の検討も進める。

②メスに作用する匂い物質・フェロモンによる脳内の活性化部位の同定
オスから分泌されメスを誘引する匂い物質により、マウス嗅球上の特定部位が活性化されることをMRI法により明らかにした件について、再現性と他の手法による結果との整合性を確かめる。類縁物質との活性化部位の違いについて解き明かす。
また、オスから分泌されメスを誘引するフェロモン物質による副嗅球の活性化を捉えるため、物質の提示法や撮像条件を検討する。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由として、今年度は、フェロモン物質による活性化を捉えることについて撮像条件の検討に集中したため、多量のペプチド性フェロモン試料を必要とせず、比較的高額な消耗品の使用が抑えられたことが、主に挙げられる。また、研究初年度であるため、国際学会における発表を差し控えたことも挙げられる。
今年度分に予定していた研究費は、次年度、ペプチド性フェロモンに関する条件検討へ、主に使用する予定である。

次年度使用額の使用計画

1. 設備備品費:本申請で購入の予定はない。研究遂行に必要な施設・設備は、研究代表者と研究協力者の所属する熊本大学と東京大学内に備わっている。2. 消耗品費:実験動物の他、塩化マンガン・匂い物質・フェロモン・麻酔の試薬、ペプチド性フェロモン調製のための培養・精製試薬、プラスチック器具などを計上する。3. 旅費:国内学会および国際学会において成果発表を行う。東京大学において研究打ち合せを行う。4. 謝金:英語論文の校閲費を計上する。5. その他:論文投稿費を計上する。なお、各費目において90%を超えるものはない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] MRIを用いた匂い物質の識別メカニズムの解析2014

    • 著者名/発表者名
      後藤はるな、平金真、吉永壮佐、舩津大嗣、岩本成人、寺沢宏明
    • 学会等名
      第42回日本磁気共鳴医学会大会
    • 発表場所
      ホテルグランヴィア京都(京都市)
    • 年月日
      2014-09-19

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公開日: 2016-05-27  

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