タンパク質の翻訳後修飾としてのチロシン硫酸化は、ゴルジ体の2種類の膜結合酵素Tyrosylprotein Sulfotransferase (TPST)によって触媒される。本研究では、結晶構造解析の未決定のヒトhTPST1の精密な立体構造を基質ペプチドとの複合体として決定した。いずれの基質ペプチドもL字型に折れ曲がり、hTPST1の深い溝に結合していた。また、3種類のゼブラフィッシュzTPST遺伝子の発現をダブルまたはトリプルノックダウンした結果、胚発生が停止して生育途中で致死に至る胚が多数観察された。これらのことから、TPSTは正常な発生において重要な役割を果たしていることが示唆された。
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