研究課題
環状イソマルトオリゴ糖(CI)生産菌であるPaenibacillus agaridevorans T-3040株(旧名Bacillus circulans T-3040) およびPaenibacillus sp. 598K株において、環状イソマルトオリゴ糖グルカノトランスフェラーゼ(CITase、GH family 66)およびデキストラングルカナーゼ(DGase、GH family 31高転移性α-グルコシダーゼ)の誘導条件で培養し、二次元電気泳動を行った。T-3040株はCITaseとフラジェリンが生産誘導された。598K株はCITaseとDGaseとフラジェリンおよびGH family 66に属するデキストラナーゼが生産誘導された。また、T-3040株はデキストラナーゼを持たないことが明らかになった。598K株において培養時の糖質の種類がデキストラナーゼ生産に影響を及ぼすかどうか解析したところ、デキストラン含有培地およびCI含有培地で培養した際の菌体抽出液のみでデキストラナーゼ活性が確認された。598K株をデキストラン培地で培養するとCIを同時に生産する。培地中のCIが菌体内へ取り込まれることも明らかになった。598K株は、デキストラン培養時に菌体外にCITaseを放出してCIを生産し、ついでCIが菌体内に取り込まれ、さらに取り込まれたCIによって菌体内デキストラナーゼが生産誘導されることが推定された。598K株のCITaseが最も多く生産するCIはグルコース7分子から成るCI-7である。CI-7は市販の真菌類由来のデキストラナーゼではほとんど分解されなかったが、598K株のデキストラナーゼはCI-7を効率よく分解した。598K株は自身が生産するCIを栄養源として利用することが推定されたが、T-3040株におけるCIの生理的意義については疑問が残された。
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Applied Microbiology and Biotechnology
巻: 101 ページ: 4115-4128
10.1007/s00253-017-8174-z