研究課題/領域番号 |
26450135
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
生方 信 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (60168739)
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研究分担者 |
重冨 顕吾 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (20547202)
三橋 進也 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 特任講師 (60526672)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | エポジムノラクタム / オートファジー / 全合成 / タンデム型不斉エポキシ化 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、モリノカレバタケの一種Gymnopus sp.の生産する(+)-エポジムノラクタム(1)の単離・構造決定・オートファジー誘導活性について原著論文として纏め、定評ある国際誌の一つであるPhytochemistryに掲載された(Phytochemistry(2014), http://dx.doi.org/10.1016/j.-phytochem.2014.08012)。さらに、cis-4-benzyloxy-2-buten-1-ol(2)を出発原料として、D-(-)-DETを用いたシャープレス不斉エポキシ化を行うことにより89%eeでエポキシアルコール(3)を得た。Vinyl acetate中で2をリパーゼ処理するとent-3が選択的にアセチル化されることが判り、これを除去することで99%ee以上の光学純度をもつ(+)-3を得た。この新規なタンデム型不斉エポキシ化法は光学活性エポキシ化合物を合成するための手法として重要であると考えている。(+)-3をTEMPO酸化しアルデヒド(4)とし、n-BuMgClを用いてGrignard反応を行いブチル基の付加した5を得た。5をPd/C, H2でベンジル基を除去しエポキシジオール6とした。6を2当量のNaOCl存在下でTEMPO酸化することによりラクトン7を得た。ラクトン7をNH4OHのメタノール溶液で開環し、アミドエポキシアルコール8を高収率で得た。アミドエポキシアルコール8をDess-Martin酸化し、目的とする(+)-エポジムノラクタム(1)の全合成を達成した。 合成した(+)-エポジムノラクタム(1)は、天然物と同様、ケト型互辺異性体との混合物として得られた。さらに物理化学的性状、1H-NMR,13C-NMRに於いて良い一致を示し、動物細胞に対するオートファジー誘導活性も天然物同様に誘起することを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、全合成を達成した。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、合成した(+)-エポジムノラクタムを用いて、溶液中での本化合物の挙動をNMRを用いて調べる。また(-)-エポジムノラクタムの合成を行う。余力があれば、他の誘導体の合成も行い、構造と活性との相関を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、(+)-エポジムノラクタムの全合成にフローケミストリーを組む込むことを計画していたが、バッチ法で効率的に全合成できるルート開発に成功したため、計上していたマグネチックスターラー付き低温槽の購入が必要なくなったためである。 また、合成研究に汎用的に使用していた冷却循環装置と直結型油回転ポンプが修理不能となり、研究を効率的に遂行するために、これらの機器の購入を優先させざるを得なかったためでもある。
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次年度使用額の使用計画 |
(+)-エポジムノラクタムの全合成が達成されたことで、平成27年度は、薬品・溶剤や生化学試薬・培養基剤などの消耗品費の購入、投稿料、別刷り代などの支出が確実に増えることが予想される。 そこで、設備費は計上せず、消耗品費の購入を主とする計画である。
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