研究課題/領域番号 |
26450137
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
夏目 雅裕 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10201683)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 青枯病菌 / 走化性 / トマト / 根滲出液 / 誘引物質 |
研究実績の概要 |
1トマトおよびアルファルファ根浸出液からの走化性誘引物質の精製 これまでの研究で、トマト根滲出物の活性炭吸着画分が走化性誘引活性を示すことを明らかにしている。今年度は溶媒抽出、Sep-Pack C18、Oasis、シリカゲルカラムなどによる精製を試みた。その結果、活性物質は有機溶媒では抽出されず、Sep-Pack C18やOasis HLBには吸着しなかった。また、Oasis MCXやMAXによるイオン交換では明確な吸着は認められなかった。しかし、メタノールークロロホルム系の溶媒を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーとDIOLシリカゲルカラムクロマトグラフィーではそれぞれ10%画分と30%画分に活性が溶出した。活性画分は約100ug/discで走化性誘引活性を示した。
2他種植物からの走化性誘引物質の探索 青枯病菌の宿主ではない種も含めて8種類の植物の根滲出物を調製した。根滲出液は活性炭カラムに通し、通過・洗浄画分と80%アセトン水溶出画分を得て、青枯病菌の走化性に対する影響を調べた。その結果、ブラックマッペの活性炭吸着画分が明瞭な走化性誘引活性を示した。また、コマツナとネギの活性炭吸着画分では負の走化性誘引活性(忌避活性)の傾向が観察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
走化性誘引アッセイの結果が安定してきたので、トマト根滲出液からの走化性誘引物質の精製は順調に進んでいる。 昨年度着手できなかった他種植物からの走化性誘引物質の探索を行い、誘引物質と忌避物質を分泌する植物種を選抜でき、当初の計画に追いついた。
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今後の研究の推進方策 |
トマト根滲出液に含まれる走化性誘引物質は最終年度中に単離し、その構造を解明したい。また、ブラックマッペ根滲出液に含まれる走化性誘引物質の精製も、トマト根滲出液に含まれる走化性誘引物質の精製法を参考に、精製する計画である。さらに、最も忌避活性の強い植物を選抜し、その活性本体の解明を進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
早期予約の割引航空券を購入することができたため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額はそれほど多くはないので、次年度交付額と合わせて、種子や分離用担体,溶媒等の購入に使用する予定である。
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