カルジオリピン(CL)は、ミトコンドリアに局在するリン脂質で種々の膜タンパク質や輸送担体の活性発現に必須である。CLの生合成では、リモデリング系によって脂肪酸部の選択性が得られるが、詳細は不明である。そこで本研究ではリモデリング系に関わるとされるトランスアシラーゼ、タファジンの基質特異性を明らかにすることを目的とした。このために、種々のCL、リゾCL、ホスファチジルコリンの有機合成を行い、構造活性相関研究を展開した。結果は、酵母由来タファジンにおいて飽和脂肪酸のトランスアシル化が優位に遅いこと、およびホスファチジルコリンのsn-2位を主なアシルドナーとして認識することを初めて明らかにした。
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