研究課題
本研究課題は以下の4つの実施計画に沿って行った。(1)フラクションライブラリーの作製、(2)ライブラリーのPDA-LC/MS分析、(3)スペクトルデータベースNPPlotの構築、(4)フラクションライブラリーからの新規化合物探索。研究期間全体を通して研究が当初計画よりも順調に進んだことから、新規二次代謝産物の発見・単離に十分な時間をかけることができた。それぞれの項目の具体的な実施概要を以下にまとめた。(1)フラクションライブラリーの作製:放線菌および糸状菌の大量培養抽出物よりフラクションライブラリーを作製し、最終的に合計約2000フラクションを作製した。(2)ライブラリーのPDA-LC/MS分析:フラクション全てのLC/MS分析を行いNPPlotへの登録に必要な情報(保持時間、分子量情報、UV吸収スペクトル、マススペクトル)を収集した。(3)NPPlotの構築:LC/MS分析から得られた情報をNPPlotに登録した。プロットの情報から菌株に特徴的な分布を見出し菌株固有の化合物群を容易に探索できることを確認した。(4)新規化合物探索:NPPlotを利用し菌株固有の化合物群の探索を行った。その結果、いくつかの新規化合物を見出すことができた。それらの中には類縁構造を有するものもあり、本方法の特徴である菌株固有の二次代謝産物探索への有用性を確認することができた。それらの単離・精製について学会発表や論文として報告した。本方法では化合物の単離はフラクションから行うので、簡単に精製を行うことができた。以上の結果を通して、本研究課題の目的であるフラクションライブラリーを利用した新規化合物の探索を達成することができたとともに、本方法の有用性を確認することができた。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 5件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件)
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