うつ病患者では、血清亜鉛濃度の低下、脳内セロトニン分泌の低下などが臨床報告されてきた。そこで、成長期からの潜在的亜鉛欠乏が精神発達・気分障害に及ぼす影響を明らかにするためラットを用いて検討した。睡眠時(明期)に対する活動時(暗期)自発行動量は、亜鉛欠乏食給餌12日目で有意に低下し、以降は低値を維持し、うつ様行動の可能性が考えらえれた。実験食給餌0~4日目のラットで、視床下部外側野におけるセロトニン・ノルエピネフリン放出量をマイクロダイアリシス法にて追跡した。その結果、亜鉛欠乏食給餌4日目の高カリウム刺激時におけるセロトニン・ノルエピネフリン放出量が低下傾向を示した。
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