研究課題
マルチリガンド受容体として知られるRAGE(receptor for advanced glycation end-products)は種々のリガンドと結合して細胞内シグナルを誘導し、その結果、糖尿病血管障害、がん、炎症、アルツハイマー病等の病態を悪化させる。それゆえ、RAGEシグナルを阻害することは、RAGE関連疾患の予防・治療にとって重要である。研究代表者らは日本古来の発酵調味料である醤油から得られる低分子画分にRAGEシグナル阻害成分が含まれることを初めて明らかにした。そこで本研究は、醤油由来低分子画分に含まれる新規RAGEシグナル阻害成分の実体とその阻害メカニズムを明らかにすることを目的とする。本年度は、この目的を達成するために以下の2つの実験を行った。1.前年度までに明らかにした醤油由来でRAGEシグナルを阻害するRAGE結合性の画分を質量分析装置により解析を行い、醤油低分子由来のRAGE結合成分を同定した。2.リガンドの細胞外領域への結合とRAGE多量体形成の関係を明らかにするため、RAGEのリガンド結合部位やそのほかの細胞外領域を欠損させた変異RAGE細胞外領域のcDNAを作製した。変異RAGEタンパク質の精製を容易にするために各々の変異RAGEのC末端にヒスチジンタグを配置した。以上の結果より、醤油由来のRAGE結合成分を明らかにし、また、RAGE多量体形成を明らかにするための道具である種々の細胞外領域欠損RAGEタンパク質のcDNAを作製した。現在、これら変異cDNAをCOS7細胞に導入しており、RAGEの多量体形成に必要な領域が明らかになることが期待される。
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