研究課題
本研究は筋肉・脂肪細胞を用いて抗サルコペニア肥満の検討を行う培養細胞評価系を構築し、その評価系を用い、候補の機能性食品群より抗サルコペニア肥満効果の探索を行い、その機能性食品成分の単離・同定、加えて活性成分の作用点を明確にすることを目的としている。平成26年度は主に培養筋肉細胞を用い、抗サルコペニア効果を検討するための培養細胞評価系構築を行い、抗サルコペニア効果を有する機能性食品候補の探索を行った。まず、本研究を遂行するにあたり主軸となる、筋肉細胞における筋肉タンパク質量発現増強成分の検討を行うための培養細胞評価系をマウス骨格筋由来筋芽細胞C2C12を使用し構築した。その結果、筋芽細胞より分化させた筋管細胞を用いた筋肉分化時および分化後筋肉細胞の双方に利用可能な抗サルコペニア培養細胞評価系を構築した。評価項目として、筋肉タンパク質発現増強や筋肉機能に大きく関与するAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の活性化状態を検討すること、また筋肉細胞のミオシンタンパク質量をウェスタンブロッティング法により測定することで筋肉細胞の筋肉タンパク質量発現増強作用の検討を行った。また筋肉機能の評価の一つとして、細胞内のNADH量を測定することにより細胞のエネルギー代謝状況の評価も行った。その結果、発酵乳ケフィアを筋肉細胞に処理することにより、筋肉細胞におけるAMPKの活性化とNADH量の増加を介した細胞内のエネルギー代謝の亢進作用が確認された。
2: おおむね順調に進展している
平成26年度の研究目的で最重要項目である抗サルコペニア肥満の検討を行う培養細胞評価系を構築することと、その評価系を用い、候補の機能性食品群の探索を開始できた。
平成27年度以降の研究推進に関して大幅な変更は現時点では必要は無いと考えられる。計画書に従い、目標達成に向け研究を遂行する。研究実施においては筋肉・脂肪細胞のネットワークを検討することと活性成分の探索・同定に向けた検討も併せて行っていく予定である。
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PLoS One
巻: 9 ページ: 1-18
10.1371/journal.pone.0102218
Oxidative Medicine and Cellular Longevity
巻: 2014 ページ: 1-18
10.1155/2014/869121