研究課題
メタボリックシンドローム該当者及びその予備軍は900万人を超えると考えられ、社会保障費低減の観点から、その治療法及び予防法の開発が望まれている。インクレチンは抗メタボリックシンドローム効果を持つことから、注目されている。当研究では、食品に含まれるスフィンゴ脂質やポリフェノール、多糖が消化管内分泌細胞の細胞膜機能をどの様に変化させるのか、また食品成分受容体の活性化キネティクスにどの様な影響を与えるのかを細胞レベル、分子レベルで明らかにする事を目的とした。具体的には長鎖脂肪酸受容体GPR120に焦点をあて、まず簡便で、定量性の高いアッセイ方法の確立を目指し、オーファンGPCRのリガンドスクリーニング法として開発されたTGFα切断アッセイを、適用した新しい方法を確立した。この方法を用いて、1. 新規リガンド探索と、2. αリノレン酸/GPR120シグナリングに影響を与える分子の探索、を行った。その結果、食品成分の中からいくつかの新規リガンド、シグナル制御分子を見出す事に成功した。今回の研究で、スサビノリに含まれるポルフィオランや、発酵茶に含まれるポリフェノールが、αリノレン酸/GPR120シグナリングを増強/減弱させる事を見出した。小腸内分泌細胞は、脂肪酸や糖、アミノ酸といった栄養成分以外にも、様々な非栄養成分に暴露されている。今回の発見は、非栄養成分が、インクレチンシグナリングの調整に関わっているという事を示唆し、これらの全く新しい機能性の可能性を示している。
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