中高圧(100MPa)条件下で玄米に加水・加温処理を行うと、糠中の成分が胚乳部に浸透移行することを見出した。本研究では中高圧処理による食品の栄養機能性向上を目的として、玄米、普通ソバ種子及びウメ未熟果等に加工処理を行い、成分量の変化ならびにそれらの成分に関連する酵素活性への影響を調査した。玄米では糠層の成分に加えて、添加したカルミン酸や葉酸が胚乳部に浸透移行することを明らかにした。一方、ソバでは同様の処理をしても成分が移行しないことを確認した。以上の結果から、中高圧処理の効果は素材によって異なるものの、加工条件と内層への機能性成分の移行性との相関を明らかにすることができた。
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