本研究は「ヒドロキシ脂肪酸類」生成による乳酸菌の抗ストレス効果を明らかにすることを目的とした。まず、ヒドロキシ化能の高いL.sakei Y20と、L.sakei標準株とのヒドロキシ化活性について検討した。Y20株は、標準株と比較し、4倍以上強い酵素活性を示し、アルコール、pH、銅イオン、鉄イオンによるストレス条件下でも生存率が高かった。また、ヒドロキシ化に関わる酵素の遺伝子破壊を行い、その存在意義について検討した。ストレス耐性は減少し、膜輸送タンパク質の発現や脂肪酸代謝遺伝子の発現も低下した。これによりヒドロキシ化酵素は、耐ストレス耐性に関わる細胞膜代謝に関わると推察された。
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