本研究の目的は、実際の降雨量と雨量計によって捕捉された降雨量との差異を、山岳地帯で測定することである。上空が開け風向が比較的一定の斜面では、風速と雨量計の捕捉率は、3mm以上の降雨で反比例していた。雨量計の降雨捕捉率は降雨の真値に近い雨量検定装置の約6-8割であった。更に平均風速が5mを超えると、降雨捕捉率は約5割まで低下した。森林内外の降雨を比較すると、森林外の降雨捕捉率が低かった。これは、森林外で風速が強く、風向のばらつきが大きいためであると考えられる。以上より、強風下で測定された雨量には捕捉損失が多いことが示された。そのため、風速を含めた雨量評価の必要性がある。
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