琉球列島の純マングローブ7樹種中、メヒルギとヒルギダマシでは、真菌類による枝枯性病害があった。両樹種の林縁部の個体では、大潮の満潮位の直上部の枝に枝枯病徴が多く見られ、しばしば樹冠が変形していた。また両樹種では、内生菌として知られる種を含む複数の弱い病原により、樹冠上部の梢端の枯死が頻発していた。両樹種ともマングローブの林縁によく出現することが知られる。それらは、枝枯性病害と梢端の枯死で樹高が低く平たい樹冠となり、その結果、林外からの風波に耐え、長期に生存していた。これらの病害と潮汐の影響が、両樹種が林縁をふちどってヒルギ林の維持していることに寄与しているとも解釈できる。
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