2011年に食葉性昆虫(クスサン)の大発生したウダイカンバ二次林(林齢約100年)を対象に、食害後のウダイカンバ(Bm)の枯死パターンを食害前の成長履歴、個体間競争との関係から明らかにした。食害前(2004-2010年)のBmの肥大成長量は、隣接するサイズの大きなミズナラからの一方向的競争効果によって制限されていた。食害後3年間(2012-2014年)の死亡率は17%であり、食害前に低成長であった個体ほど死亡率が増加した。これらの結果は、長期間にわたる個体間競争がBmの肥大成長の低下をもたらし、この成長低下が食害に対する感受性を増加させ、食害後の死亡率の増加に影響したことを示している。
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