林冠ギャップによる林冠階層構造不均一性が森林下層での植物間相互作用に与える影響を明らかにするため、列状間伐された壮齢カラマツ人工林の伐列で、ウダイカンバの天然更新稚樹と繁茂する下層植生との競合を、その上空の林冠疎開状況と関連づけて調査し、ウダイカンバ稚樹の樹形発達を3年間追跡した。その「地上幹長-幹基部直径関係」の3年間の推移から、ウダイカンバ稚樹は下層植生を完全に脱出した個体でしか地上幹長が増加しないこと、肥大より伸長を優先させた成長パターンを示すことがわかった。今後、このような成長パターンを、上空の林冠状況と関連づけ、ウダイカンバ稚樹の成長に最適なギャップ特性について解析を進めていく。
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