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2016 年度 実施状況報告書

土壌呼吸の温度特性におよぼす土壌水分変動の影響

研究課題

研究課題/領域番号 26450216
研究機関国立研究開発法人森林総合研究所

研究代表者

阪田 匡司  国立研究開発法人森林総合研究所, 立地環境研究領域, 主任研究員 (50353701)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード土壌呼吸 / Q10値 / 土壌乾燥処理
研究実績の概要

土壌水分の変動が土壌呼吸の温度特性(Q10値)におよぼす影響を明らかにするため、茨城県かすみがうら市に位置する40年生スギ人工林において、降雨遮断試験による土壌水分変動にともなう土壌呼吸の観測をおこなった。降雨を遮断しない対照区と樹幹間(2×3m)の高さ約1.5mにビニールシートを設置して降雨を遮断した遮断区を設け、それぞれ4基ずつ土壌呼吸測定用のチャンバー(うちA0層を除去したものを1基ずつ)を設置した。それらのチャンバーは1時間毎に自動的に開閉し、各チャンバーの土壌呼吸速度を連続測定した。また別途、両処理区の表層5cmの土壌を採取し、実験室において恒温器を用い、異なる温度でのCO2発生速度を測定した。野外観測では、遮断区の土壌呼吸のQ10値は遮断処理直後に上昇し、さらに乾燥が進むと低下したが、対照区では降雨前後の水分変動に伴う土壌呼吸のQ10値に明瞭な違いはなかった。また、A0層を除去した地点の土壌呼吸のQ10値は対照区・遮断区のともに降雨前後での差がみられなかった。室内実験では、異なる水分条件での表層土層のCO2発生速度のQ10値の違いは明瞭でなかった。これらのことから、降雨遮断後の土壌呼吸のQ10値の変動はA0層からのCO2放出速度およびそのQ10値の変動によるものと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

利用していた試験地において、台風による風倒木被害や敷設電源の漏電による停電のトラブルが生じ、土壌呼吸の野外観測が何度も中断、その復旧対応のため、当初予定していた根切断処理による野外観測が出来なかった。

今後の研究の推進方策

今年度実施できなかった根切断処理区を設け、従来と同様に降雨遮断試験をおこない、今年度までのA0層除去区や対照区とともに土壌呼吸の野外観測を継続する。それらの結果に基づき、根、A0層、鉱質土層におけるCO2放出速度のQ10値とそのときの土壌水分との関係を明らかにし、土壌呼吸のQ10値におよぼす土壌水分変動の影響を評価する。

次年度使用額が生じた理由

台風による風倒木被害や試験地敷設電源の停電によって、根切断処理区の設定や野外観測自体が一時的に困難になり、それらにともなう物品購入、賃金、旅費が使用できなかったため。

次年度使用額の使用計画

当初予定していた根切断処理区を設定し、現在おこなっている各処理区とともに土壌呼吸の連続観測をおこなう。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] スギ人工林における土壌乾燥処理にともなう土 壌呼吸変動2017

    • 著者名/発表者名
      阪田匡司・野口享太郎・平井敬三
    • 学会等名
      日本森林学会
    • 発表場所
      鹿児島大学(鹿児島県鹿児島市)
    • 年月日
      2017-03-28
  • [学会発表] 降雨イベントおよび降雨遮断処理が土壌呼吸におよぼす影響2016

    • 著者名/発表者名
      阪田匡司・野口享太郎・平井敬三
    • 学会等名
      関東森林学会
    • 発表場所
      千葉市市民会館(千葉県千葉市)
    • 年月日
      2016-10-18

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公開日: 2018-01-16  

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