研究課題
木材の経年変化現象の理学的に記述することを目的として研究に取り組んでいる。本研究では、木材が多孔質材料であること、親水性材料であることに注目した。特に、木材の経年変化についてのレオロジー的解釈を行うためには、第一歩として、木材細胞壁中の自由空間を把握する必要がある。そこで、水分吸着特性の評価、すなわちイソサームの計測を行った。実験試料には、経年変化の程度の異なるヒノキ材として、履歴の明らかな歴史的建造物由来の古材を用いた。経年による水分吸着の変化を、Hailwood Horrobinn理論を用いて吸着等温泉を解析することによって、木材中の水分吸着サイト、すなわち木材細胞壁中における空隙構造の経年による変化を定量的に評価することができた(横山、材料、2015)。さらに、木材細胞壁の経年による変化について、木材細胞壁の単位モデルを用いて、木材細胞壁を構成するセルロース・ヘミセルロース・リグニンおよび吸着水を含めて定量的にモデル化した(横山、マテリアルライフ、2014。マテリアルライフ学会論文総説賞2015 受賞)。また、本研究を遂行するため、並行して、歴史的建造物由来古材の樹種調査を継続して行った。その結果、これまで、ヒノキ材であると考えられていた建造物部材が、コウヤマキであることが判明した。本成果の一部は、学会での成果報告のほか、文化財建造物の所有者を通じて、新聞・テレビ等においても報道された。
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