木材を材料学的に取り扱うための主要な力学概念のひとつに、レオロジーがある。木材は天然材料であり、細胞壁の層構造や年輪、早材・晩材などの多層構造を有する多孔質材料であるとともに、親水性を有するという点に注目し、その基礎的な特徴量について経年による変化を評価することで、より正確な木材のレオロジー的取扱いを可能にすることを目的とした。本研究では、経年変化にともなる物性変化の指標として①細胞壁における微細な空隙構造の情報、すなわち水分子吸着サイトの経年変化の定量化②木材構成成分と吸着水を考慮した細胞壁単位胞モデルに基づく経年変化のモデル化を行った。
|