研究実績の概要 |
石油分解菌及び石油分解菌を担持した担持体を用いて、以下の結果を得た。(1)天然から選抜した石油分解菌によるPAHsの液体分解:海水条件下で石油分解菌(SM46)により多環芳香族炭化水素(PAHs),ベンゾ[a]ピレン(BP)(濃度20ppm)が分解できることを見出した(約30,40%分解(15,30日処理)。また、BPの分解経路も解明した。さらに、石油分解菌(NG007)による種々の塩濃度及びpH条件下で4種のPAHs混合物(アセナフテン,アントラセン,クリセン,BP)(各濃度12.5ppm)の分解を行い,全ての条件下でPAHsを分解(約80~10%)出来ることを見出した。しかし、塩濃度及びpHが高くなるほど分解率の低下が見られた。(2)石油分解菌の組合せ(2種)及びその割合を明らかにした。(3)石油分解菌を担体させた担持体(浄化材)によるPAHs汚染土壌の浄化:複数の担体に石油分解菌(SM46)を担持後、BP(50ppm)汚染海岸土壌の浄化を行った。その結果、BPを分解[各々約40,60%(15,30日処理)]出来ることを見出した。また、浄化効率を高め得る一種の天然系担体を見出した。
(4)原油(C重油、1,000ppm)汚染海岸土壌の浄化の試み:担持体[石油分解菌(2種)]により、原油(C重油、1,000ppm)汚染海岸土壌が浄化[各々70%,86%(15,30日処理)]できることを見出した。また、浄化時に一種の栄養源を添加すると、浄化率が約20%増加(未添加に比べ)することも見出した。
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