加溶媒分解処理による木粉の改質が、木材・プラスチック複合材(混練型WPC)(以下WPCと略す)の衝撃強度等の力学物性に及ぼす効果を明らかにすることを目的として、加溶媒分解処理した木粉とポリプロピレンを原料に用いてWPCを製造し、その力学物性を評価した。その結果、加溶媒分解処理木粉を用いた場合には、無処理木粉を用いた場合と比較し、高い伸び性能と、高い耐衝撃性能を示すことが判明した。これらの結果は、WPCの欠点の一つであった硬くて脆い性質が改善できることを示しており、これまで木質材料が使用されてこなかったプラスチック産業へのWPCの用途拡大に寄与する基礎的な知見である。
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