ウニが優占し、その過剰摂食により海藻が生育できない磯焼け場が国内外に拡大しているが、その主因として海外で指摘されているウニの捕食者の乱獲であることを、温暖化が進み、ウニの磯焼け場が蔓延化した高知県沿岸で国内初の事例として示した。対象海域は、古くから禁漁区に設定されている小湾とその隣接漁業区の小湾で、禁漁区には大型のイセエビが多く生息し、その捕食によりウニの密度が特にイセエビの隠れ場の近くで低く、大型海藻が繁茂することを明らかにした。またイセエビがウニを捕食する際の種とサイズの影響を実験的に解明し、その選択的捕食が現場でのウニのサイズと種組成に影響していることを示唆した。
|