研究課題/領域番号 |
26450255
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松石 隆 北海道大学, 水産科学研究科(研究院), 准教授 (60250502)
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研究分担者 |
赤松 友成 独立行政法人水産総合研究センター, 水産工学研究所, グループ長 (00344333)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ネズミイルカ / 食性 / 混獲 / A-Tag / 定置網 / 刺し網 |
研究実績の概要 |
工程1: 標本の入手 SNH と連携し、ネズミイルカのストランディング情報を受報し、8個体について標本を収集した。入手した個体の外部形態の計測及び解剖調査を行った。解剖調査の際に、胃を採材する。胃は食道と腸を閉管して、冷凍保管した。 工程2: 胃内容物分析 従来より収集していた標本と合わせて13個体分について、胃の外部形態を計測後、内容物を摘出した。内容物は80%エタノール中に保存した。消化物の同定は、魚類であれば主に耳石、頭足類では下顎を用いる。同定は、実体顕微鏡を用いての詳細な観察により行った。国立科学博物館(窪寺恒己氏)および東海大学海洋学部大泉宏准教授の所蔵標本との比較を行った。 工程3: 漁獲対象魚種選好性評価 年度は実施しなかった。 工程4: 音響観測装置準備・設置 イルカ用音響観測装置A-Tag を購入し設置準備を行った。A-Tag 開発者である研究分担者の赤松友成氏の指導により、一部赤松氏所有のA-Tagを用いて4 月に北海道函館市臼尻町沖定置網、6 月に北海道目梨郡羅臼町峯浜町刺し網に設置し、予備録音・解析を行い、設置場所や設置時期について確認を行った。 これらの結果、得られた標本数が少ないものの、ネズミイルカの食性が多様であること、ネズミイルカの定置網、刺し網近傍での鳴音録音に成功したこと、定置網については入網したにもかかわらず混獲されなかった個体がいることが示唆される結果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
漂着個体標本は目標10個体に対して8個体の回収ができたこと、A-Tagの装着が漁業者の協力によってスムースにできたことなどから、概ね順調に進展した。
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今後の研究の推進方策 |
A-Tag、2機を購入したこともあり、今年度はより多くの機会を見つけて、情報を収集したい。また、漂着ネズミイルカ個体の収集についても積極的に実施したい。これらをもとに、今年度は論文1編を投稿したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
A-Tag購入経費および調査旅費が予定より多く、30万円の前倒し支払請求を行ったが、その後節約等により、その大半を使用せずに済んだため、28万円が次年度使用額となった。
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次年度使用額の使用計画 |
前倒し支払と次年度使用額がほぼ同等であることから、当初計画通り使用する予定である。
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