水産資源管理への協力行動の進展に及ぼす漁業者の心理的要因を特定することを目的として,コミュニティ主体の資源管理を行っている地区の漁業者を対象に,5件法,28質問項目のアンケート調査を実施した。因子分析で抽出された4因子をもとに共分散構造分析を行った結果,資源管理への協力意識は「地元地区および漁業への関心」と「乱獲および外部の評価への関心」によって促進され,「利己心」によって低下することが示唆された。この結果は,コミュニティ内と外の両方からの圧力が存在した場合に資源管理に対する協力行動が促進されるとする社会-生物経済カップリングモデルの結果(Furuzono et al. 2013)を裏付ける。
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