交尾を行う単系統のニジカジカ属グループについて、繁殖生態、分子系統関係、生殖関連形質を調べた。分子系統解析の結果、雄卵保護型のニジカジカ属とベロ属からなるクレードAと卵隠蔽型のサラサカジカ属、アナハゼ属、スイ属、及び繁殖様式不明のイダテンカジカ属からなるクレードBに分けられた。クレードBで最初に分岐したイダテンカジカ属は、生殖関連形質については雄卵保護型と同様の形質を持っていたことから、雄卵保護型であることが示唆された。つまり、本グループでは雄卵保護型が2つのグループに分岐し、一方(クレードA)は雄卵保護型を維持し続け、もう一方(クレードB)では雄卵保護型から卵隠蔽型を進化させたと考えられた。
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