本研究では、ヒラメなど海底付近に生息する魚の移動追跡を可能とする“潮汐モデルとデータ同化シミュレーションを組み合わせた底魚類の位置推定システム”の開発を目指した。従来型の方法では開放性の海域では位置の推定が難しかったが、底層水温情報と遊泳速度を解析変数に加えた新しいシステムでは分解能の向上が示され、本研究のシステムの有効性が確かめられた。 また、開発したシステムを用いて、東北太平洋沿岸域におけるヒラメとの移動生態について解析した。東北南部海域における本種のコアエリアが仙台湾内に出現したこと、季節的な南北移動が確認でき、未解明であった本種の移動特性を初めて示された。
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