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2015 年度 実施状況報告書

純系養殖品種作出のための簡易な卵割阻止法の開発 -微小管の再生メカニズムの解明-

研究課題

研究課題/領域番号 26450270
研究機関近畿大学

研究代表者

小林 徹  近畿大学, 農学部, 教授 (00298944)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード染色体操作 / 第一卵割阻止 / 高温処理 / 分裂装置 / 微小管 / 再生阻止
研究実績の概要

【目的】昨年度の高温1回処理効果の検討に引き続き、高温2回処理による第一卵割阻止の適正処理タイミングを検討した。
【方法】卵および精子を受精させ、20℃の水を満たした水槽に撒き、底面においたすりガラス5枚に付着させた。うち1枚を対照とし、残り4枚を高温処理1回目(HST1)にさらした。そのうち1枚は静置し、残り3枚は時期をずらして2回目の高温処理(HST2)にさらした。処理後は20℃の水槽に戻し、供試卵数および1日後の生存数を計数したのち孵化期まで培養した。HST1の時期は受精後25分、30分、35分のいずれかとし、HST2の時期はHST1の5分後(HST2-05)、10分後(HST2-10)、15分後(HST2-15)とした。HSTは41℃の温水への1分間浸漬とした。孵化期に仔魚の生存数と形態および孵化数を調べ、これらすべての個体の倍数性を判定した。各親魚間の卵質の違いは、対照区の発生率を基準として補正した。
【結果】計7回の実験での対照区の発生率は68.3±17%(MV±SD) 、各実験区では、HST1の時期の違いによる生存率に顕著な差は見られなかった。孵化まで生存した個体の奇形率は25分区のHST-05が16.2%、HST2-10が16.8%、HST2-15が19%、30分区では100、57.1、80%、35分区では21.4、58.1、31.5%であった。孵化個体の倍数性は、4倍体は25分区のHST2-10(6.5%)、HST2-15(50.0%)、35分区のHST2-05(3.6%)、HST2-10(4.7%)、HST2-15(1.9%)で確認され、その他では0%であった、これらのことから、媒精後25分に1回目の高温処理を施した後、15分後に2回目の処理を行うと高い倍数化率が得られることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

温水性コイ科魚類の高温2回処理による卵割阻止はホンモロコを材料に一定条件のめどが付いた。キンギョは疾病発生のため卵質が確保できず、実験対象から外した。2回目の高温処理の適正タイミングをさらに精査するとともに、雌性発生誘導による完全ホモ個体の量産に着手したい。

今後の研究の推進方策

今年度得られた結果から、高温2回処理の1回目適正タイミングは昨年の推定時間より早いと考えられたが、さらに早いタイミングではどうなるかも含めて検討を継続する。雌性発生の発生速度は通常発生に比較してやや遅くなる傾向が報告されており、その点も含めて今後検討したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ホンモロコ受精卵への高温2回処理による第一卵割阻止型倍数体の作出率向上2016

    • 著者名/発表者名
      藤井ひかる、小林 徹
    • 学会等名
      日本水産学会
    • 発表場所
      奈良市、近畿大学農学部
    • 年月日
      2016-09-08 – 2016-09-11

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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