ホンモロコ受精卵に高温処理を複数回施すことにより効果的に卵割阻止を誘導する条件を明らかにするとともに、この操作による倍数化の細胞学的メカニズムを検討した。その結果、水温20℃で培養した通常発生受精卵の卵割を40.5℃1分間の高温処理によって阻止するには、受精後25分の第一卵割前期に1回目の処理を施し、その終了15分後に再び同高温処理を施すことで高頻度に倍数化が成功(孵化仔魚の46%)することが分かった。この処理条件では、既報のような第二卵割阻止でなく、2回目処理完了直後の第一細胞周期時点で単極紡錘体を形成し、染色体は分離せずに1極に集まることで第一卵割が阻止されることが明らかになった。
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