マグロ類,ブリ類,ハタ類の量産が困難な難種苗生産種に共通する摂餌不良,浮上死,沈降死の初期減耗対策に焦点を絞り,様々な検討を行った。まず,対象種の各種視物質オプシン遺伝子を調べた結果,どの魚種も3種類以上が発現し,スマおよびクエは10種以上も発現することがわかった。また,仔魚のオプシン遺伝子の発現様式が魚種で異なり,一部の遺伝子が特定の時期に発現または消失すること,特定の波長光で摂餌,行動等が制御できること等が示唆された。さらに,丸底水槽の使用で対象種の生残率が顕著に優れること,クロマグロでは初期減耗期に限定した高密度生産が可能なこと等,飼育環境制御による新しい種苗生産法のモデルが開発された。
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