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2014 年度 実施状況報告書

噛み合いによる減耗を低減する切歯低形成トラフグの作出基盤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26450273
研究機関独立行政法人水産総合研究センター

研究代表者

岡本 裕之  独立行政法人水産総合研究センター, その他部局等, 研究員 (50372040)

研究分担者 藤原 篤志  独立行政法人水産総合研究センター, その他部局等, グループ長 (30443352)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード噛み合い / トラフグ / 切歯形成遺伝子 / 突然変異
研究実績の概要

トラフグ変異集団全個体(845尾分)のゲノムDNAに対し、9つの分泌性カルシウム結合性リンタンパク質SCPP各遺伝子について、5’ 側から48領域(各約200bp/領域)、SPARC  (Exon2,3,4,5,6:445塩基)、SPARCL1 (Exon2,3,4:1145塩基)、SCPP1 (Exon2,3,4,5,6,7,8,9:480塩基)、SCPP2 (Exon2,3,4,5,6,7,8:661塩基)、SCPP3A (Exon2,3,4:259塩基)、SCPP3B (Exon2,3,4:289塩基)、SCPP3C Exon2,3,4:277塩基)、SCPP4 (Exon2,3,4,5,6:741塩基)、SCPP5 (Exon2,3,4,5,6,7+8:409塩基)を設定した。この全48領域(全4706塩基)に対して、NGS (Ion PGMTM)、マルチアンプリコン作製システム(Access ArrayTM)、ゲノム解析ソフト(CLCゲノミクスワークベンチ)を用いて変異塩基スクリーニングを実施し、参照配列とした親魚のゲノム配列と異なる塩基のうち、5%以下のものはシークエンサーのリードエラー、また10%以上も何らかのエラー、さらにin/delも除いた結果、アミノ酸変異を持たない変異が9カ所(SCPP2, SCPP3A, SCPP3C, SPARC)、アミノ酸変異を持つ変異が5カ所(SCPP3A:1カ所, SCPP3C:4カ所)の変異箇所が得られた。変異した塩基により、SCPP3Aではシステインがトリプトファンに、SCPP3C遺伝子ではスレオニンがアラニン(3カ所)あるいはイソロイシン(1カ所)に変異していた。SCPP遺伝子領域群で検出された変異導入率は0.0004%となり、当初の予想(0.4%程度)より低い値となり、変異が入りにくいゲノム領域である可能性が考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画通り変異集団全個体のゲノムDNA に対し、9つのSCPP 遺伝子48 領域(200bp/領域)について、次世代シークエンサー、Digital PCR 等を用いて集約的に解析し、変異塩基の解析を実施し、いくつかの候補箇所を同定した。しかしながら10/30-11/3にかけて、3年間飼育した突然変異導入トラフグ約400尾がアミルウージニウム症で全滅したため予定していた免疫学的調査や変異体の選抜が実施できなくなった。

今後の研究の推進方策

当該年度に突然変異導入トラフグ約400尾をアミルウージニウム症ですべて喪失したため、予定していた免疫学的調査や変異体の選抜が実施できなくなり、想定外の研究計画の変更を余儀なくされた。今後は、機能欠損個体の作出については時間のかかるTILLING法は中止し、DNA編集技術(TALENあるいはCRISPR)に集中して研究を推進することとする。

次年度使用額が生じた理由

10/30-11/3にかけて、成魚となるまで飼育を続けていた変異導入トラフグおよそ400尾がアミルウージニウム症にて全滅してしまったため、当初計画していた試験ができなくなり、その分の予算が残った。そこで次年度に遺伝子編集試験を重点的に行うこととし、そのために必要なおよそ60万円の予算を繰り越した。

次年度使用額の使用計画

遺伝子編集試験に関わる顕微注入やRNA合成、塩基配列解析等の消耗品等に使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] Application of mutant screening for multi-genes using next generation sequencing technology from mutagenized populations2015

    • 著者名/発表者名
      Okamoto H., Ishikawa T., Nishiki I., Iwasaki Y., Kai W. and Fujiwara A.
    • 学会等名
      International Symposium Genetics In Aquaculture
    • 発表場所
      スペイン、サンチャゴ・デ・コンポステラ大学
    • 年月日
      2015-06-21 – 2015-06-27
  • [学会発表] ゲノム編集によるトラフグの育種戦略2014

    • 著者名/発表者名
      岡本裕之
    • 学会等名
      日本水産学会
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2014-09-19 – 2014-09-19
    • 招待講演

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公開日: 2016-05-27  

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