研究実績の概要 |
トラフグ変異集団全個体(845尾分)のゲノムDNAに対し、9つの分泌性カルシウム結合性リンタンパク質SCPP各遺伝子について、5’ 側から48領域(各約200bp/領域)、SPARC (Exon2,3,4,5,6:445塩基)、SPARCL1 (Exon2,3,4:1145塩基)、SCPP1 (Exon2,3,4,5,6,7,8,9:480塩基)、SCPP2 (Exon2,3,4,5,6,7,8:661塩基)、SCPP3A (Exon2,3,4:259塩基)、SCPP3B (Exon2,3,4:289塩基)、SCPP3C Exon2,3,4:277塩基)、SCPP4 (Exon2,3,4,5,6:741塩基)、SCPP5 (Exon2,3,4,5,6,7+8:409塩基)を設定した。この全48領域(全4706塩基)に対して、NGS (Ion PGMTM)、マルチアンプリコン作製システム(Access ArrayTM)、ゲノム解析ソフト(CLCゲノミクスワークベンチ)を用いて変異塩基スクリーニングを実施し、参照配列とした親魚のゲノム配列と異なる塩基のうち、5%以下のものはシークエンサーのリードエラー、また10%以上も何らかのエラー、さらにin/delも除いた結果、アミノ酸変異を持たない変異が9カ所(SCPP2, SCPP3A, SCPP3C, SPARC)、アミノ酸変異を持つ変異が5カ所(SCPP3A:1カ所, SCPP3C:4カ所)の変異箇所が得られた。変異した塩基により、SCPP3Aではシステインがトリプトファンに、SCPP3C遺伝子ではスレオニンがアラニン(3カ所)あるいはイソロイシン(1カ所)に変異していた。SCPP遺伝子領域群で検出された変異導入率は0.0004%となり、当初の予想(0.4%程度)より低い値となり、変異が入りにくいゲノム領域である可能性が考えられた。
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