本研究では、水産上きわめて重要な外洋性のアカイカ類の孵化幼生の生残戦略の解明に焦点を当て、近年開発された人工授精孵化手法を応用し、数種のアカイカ類について孵化幼生の飼育実験を行い、生残や成長を左右する物理環境条件を特定することを目的とした。アカイカでは胚発生の発育ステージ、飼育水温ごとの胚発生速度と死亡過程を明らかにし、適正産卵水温が16-25oCの範囲であることを示した。また、アメリカオオアカイカの胚発生の観察によって、胚発生の水温が同じであれば胚発生速度はアカイカ類の種によらず一定であることが示された。
|