ヒスタミン生成菌に感染する新しい溶菌ファージを分離し,その性質を調べるとともに,これらファージの利用によって食品でのヒスタミン蓄積が抑制されるか調べた。本研究ではMorganella morganiiに感染するファージ3株,Photobacterium damselaeに感染するファージ1株の分離に成功した。特に,M.morganii溶菌性ファージFSP1は魚肉に接種すると,保存中においてM.morganiiの発育とヒスタミンの蓄積を効果的に抑制できるファージであった。したがって,水産食品におけるヒスタミン食中毒予防に溶菌性ファージの利用が有効な手法となることが明らかになった。
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