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2016 年度 実績報告書

甲殻類尿中の成熟脱皮関連バイオマーカーの普遍性を探る

研究課題

研究課題/領域番号 26450282
研究機関東京海洋大学

研究代表者

神尾 道也  東京海洋大学, 学術研究院, 助教 (30578852)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードフェロモン / 脱皮 / 甲殻類 / 水産化学 / 天然物 / 生理化学
研究実績の概要

現在までカニ類のみを対象に脱皮前後の尿中のNAGL濃度の検証を行ってきたので、その他の甲殻類の代表として水産学上の重要種であるイセエビの脱皮前後の尿中のNAGLの濃度の測定を行った結果、検出されなかった。この結果から考えられる一つの仮説は、NAGLがカニ類の脱皮前後の尿中にのみ高濃度で存在することである。このことはNAGLがフェロモン成分である可能性を支持するものであるが、しかしながら、脱皮直前と考えられる個体からは尿が採集しにくかったため、今後、試料の数を増やすなどして慎重に再確認を行う必要がある。NAGLの他の組織中での濃度はNMR法の感度の問題もあり、達成できなかった。今後LC-MSを用いた高感度測定法の開発し、各組織中の濃度を測定する必要がある。また、NAGLグラファイトカーボンカラムにフェロモン活性の一部が保持されていることを行動実験で確認した。グラファイトカーボンでの保持、溶出条件の検討は逆相カラムに保持されないNAGLをモデル化合物として行ったが、その過程でNAGLがクロマトグラム上で互変異体の混合物として存在することが示唆された。そこで、NAGLの尿中での存在状態の検証を行った。各種水溶液中のNAGL標準試料と尿中のNAGLに相当する天然物の存在状態を核磁気共鳴装置と質量分析器で検証した結果、尿中ではNAGLのラクトン環が加水分解されて開環し、カルボン酸の状態で存在することが示唆された。この知見は、受容体タンパク質とNAGLの結合状態を考察する上で重要である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Finding food: how marine invertebrates use chemical cues to track and select food.2017

    • 著者名/発表者名
      Kamio M. and Derdy C.D.
    • 雑誌名

      Natural Product Reports

      巻: 34, ページ: 514-528

    • DOI

      10.1039/C6NP00121A

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Studies on sex pheromones in helmet crabs and blue crabs2017

    • 著者名/発表者名
      Michiya Kamio
    • 学会等名
      Fisheries Science for Future Generations
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2017-09-22 – 2017-09-24
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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