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2015 年度 実施状況報告書

ナマコ類の成熟を調節する内分泌カスケードの解明:グローバル資源の回復に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 26450297
研究機関国立研究開発法人水産総合研究センター

研究代表者

山野 恵祐  国立研究開発法人水産総合研究センター, その他部局等, その他 (10372020)

研究分担者 藤原 篤志  国立研究開発法人水産総合研究センター, その他部局等, その他 (30443352)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードナマコ / 成熟 / 繁殖生態 / 内分泌
研究実績の概要

奄美海域加計呂間島において2015年5-8月に4回のナマコ類繁殖生態調査を行った。昨年の調査と合わせて、クリイロナマコの繁殖盛期は5月、シカクナマコは7月、ヨコスジオオナマコとフタスジナマコは6-7月と推定された。しかしシカクナマコは全体的に成熟未発達な個体が多く、また個体サイズも小型のものが多かったことから、サンプリングエリアはシカクナマコの繁殖地として不適である可能性が示唆された。
完熟状態の卵巣が得られたフタスジナマコ(17個体)とクリイロナマコ(2個体)を用いてクビフリンおよび卵巣抽出液の卵成熟誘起活性を調べた。クビフリン(100ピコモルから1マイクロモル)はフタスジナマコ、クリイロナマコの卵成熟を全く誘起しなかった。フタスジナマコ、シカクナマコ、クリイロナマコの卵巣抽出液はフタスジナマコの卵成熟を誘起したが、ヨコスジオオナマコの卵巣抽出液は誘起しなかった。またフタスジナマコ、ヨコスジオオナマコの卵巣抽出液はクリイロナマコの卵成熟を誘起したが、クリイロナマコの卵巣抽出液は誘起しなかった。これらの結果から卵成熟誘起因子には種特異性や交差性があることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2年間の繁殖生態調査の結果、4種類のナマコ類の産卵期がおおむね明らかになった。成熟卵巣を用いた卵成熟誘起試験によって卵巣内に存在する卵成熟誘起因子やマナマコ産卵誘発因子クビフリンの種間相互作用のデータが着実に得られている。これらのことから概ね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

4種類のナマコ類の産卵期が明らかになったことから、産卵期にサンプリングを行い、成熟卵巣を用いて、卵巣内に存在する卵成熟誘起因子の種間相互作用の実験を積み重ねる。この実験結果から、ナマコ類の成熟機構の仕組みを推定する。

次年度使用額が生じた理由

天候不良のために野外調査回数が予定よりも少なかった。また実験に用いた試薬類の使用量が想定よりも少なかったため、買い増す必要が生じなかった。

次年度使用額の使用計画

実験に使用する生物サンプルの収集と整理実験のために奄美地方を訪問する。訪問回数は2回、それぞれ1週間を予定しているが、生物サンプルの収集状況、実験の進展状況に応じて、期間、回数を変更することも想定している。また生物サンプル収集、生理実験に必要な資材、試薬類の購入を計画している。

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公開日: 2017-01-06  

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