海外での乳ビジネスを開始した日本の乳業は、工場のオペレーションについては日本での経験や技術を活用できるが、良質な原料乳の安定的な調達と牛乳・乳製品の販売事業の拡大という問題に直面している。本研究では原料乳調達問題に焦点を当てて、以下のような海外における原料調達手法の優位性や課題の整理を行った。①取引数量や品質の信頼性が高い酪農企業との生乳取引、②一定の要件を満たした酪農生産者のグループとの特約的な生乳取引、③自社直営牧場での酪農生産による生乳調達である。あわせて海外での乳製品製造販売事業と比較する視点で、日本・第三国からの乳製品輸出事業として育児用粉乳輸出について検討した。
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