1.研究期間を通じて、コメ産業に関係の深い、アジア諸国との協定は基本的に進まなかった。2.しかし他方で、FTAを先取り、あるいは既存FTAのもとでのコメ産業のグローバル化対応はアジア諸国で大きく進んだ。ただ現在まで、日本からの製品輸出が主で現地生産化の動きは、競合する台湾や韓国などアジア他国と比較すると、展開の遅れている。それでも、タイ、ベトナム、香港、中国などでいくつかの事例が実際に展開していた。3.更には、消費市場もしくは製品販売市場においては、日本料理店の「高級和食」としての販路が主であり、現地の食文化と融合した新たな消費や消費のすそ野への食い込みが不足する限界性も明らかになった。
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