最終年度には、課題(1)「食品事業者における食品安全確保のためのシステムの導入状況と課題」と、課題(2)「食品安全措置の実施に果たす公の役割と国と地方自治体の役割分担」に関して、公開講座を実施するとともに、両課題に関する成果を取りまとめて公表した。 公開講座(食と農の安全・倫理国際シンポジウム:食品安全への取り組みの現状と課題 -地方自治体と食品事業者-)は、基盤(A)「食品安全のためのリスクコミュニケーションモデルの開発とプロフェッションの要件」(新山陽子代表)との共催で2017年5月に実施し、当基盤研究からは、主にドイツからの講演者(地方自治体の食品衛生担当者)の旅費等を支出した。さらに公開講座の翌日にワークショップを開催し、ドイツ・イギリスの自治体の食品衛生担当者および関西圏の自治体の食品衛生担当者等の間で、HACCP等の衛生管理システム導入にあたっての自治体や事業者の役割に関する議論を深めた。 また、日本において導入が義務付けられることになった衛生管理方式であるHACCPシステムに重点を置いて成果を取りまとめて公表した。27年度に実施したドイツでのヒアリング調査に基づき、ドイツではHACCPシステムの導入と実施に関してどのような工夫がされているか、公的な衛生監視指導がどのように実施されているか、事業者・事業者団体と公的な監視指導の関係に重点を置いて明らかにし、研究業績として公表した(業績欄に記載)。
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