韓国はアメリカと高水準のFTAを締結した。アメリカからの農産物輸入は,FTAによる要因だけではなく,アメリカ国内の生産状況や為替レートなど様々な要件に左右される。しかし,影響が懸念された特定品目の輸入の変化を5中3の平均でみると,確実に輸入が増加していた。 これに対し,韓国はFTA農業対策を打ち出したがその中心は競争力強化にあり,直接的な被害対応はFTA被害補填直接支払いと廃業支援のみであった。しかし前者は,輸入寄与度による被害の限定,10年間の限定,低い補填水準という問題を,後者は急激に国内生産を調整する機能を果たしたことで,かえって国内生産が逼迫する状況をもたらすという問題を抱えていた。
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