現行の国の政策である環境保全型農業直接支払交付金を定量的に評価する学際的モデルを開発した。滋賀県の西の湖流域を対象に、栄養塩の流入量の変化が水棲生態系に与える影響を分析した。西の湖における水棲生態系の回復には、全農家の4割以上によるまとまった、15~20年以上の長期的な取り組みが必要なことが示された。 また、同じく国の政策である多面的機能支払交付金の農村振興への影響について、滋賀県近江八幡市白王町を事例として分析した。白王町では、同交付金の前身の事業への参加を契機に、むらづくりの多様な取り組みを始めた。各活動の階層構造を抽出し、各段階におけるソーシャル・キャピタルの役割について検討した。
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