本研究では、永年性木本作経営における経営妥当性の高い有生固定資本財の評価法について、ブドウ経営を対象に検討した。まず、有生固定資産の成熟時点の評価には販売単価が影響するため、ブドウの市場構造の分析を行った。さらに、岡山県の大規模施設型経営の経営調査を行った。これらの調査結果から、シャインマスカットのように市場価格の変動が大きい品種を導入している場合は、有生固定資本財の評価に際して経営者の販売戦略に沿った評価法の重要性が高まることを明らかにした。ブドウ以外の樹種についての検討が、今後の課題として残された。
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