曖昧で重複した土地権利がアフリカ農業の投資阻害要因となっているとの理論的懸念が共有されてきた一方、実証的な証拠は研究によって異なる。土地所有形態による投資阻害要因の差を吟味した結果、投資阻害要因が働くのは親族から入手した土地にのみであることが明らかになった。実証結果のばらつきは、調査地による親族所有地の比率で説明づけられる。
土地権利再整理のための企業介入と公的土地登録は長期投資を促進する。しかし生産性上昇への効果を持つのは企業介入だけであることが分かった。植樹投資、生産性いずれについても耕作者の性別によるバイアスは確認されないが、名目的な女性名義の土地登録は、生産性に対して負の影響を持つ。
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