研究課題/領域番号 |
26450336
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
泉 完 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (60132007)
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研究分担者 |
東 信行 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (40262977)
丸居 篤 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (80412451)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 魚道 / 小型通し回遊魚 / 遊泳能力 / 魚道設計 |
研究実績の概要 |
標記研究課題について、本年度の研究概要は以下の通りである。
小型回遊魚の遊泳能力を実験的に明らかにするため、現地の河川水をそのまま実験装置に通水する方法で実施した。遊泳実験は,青森県内の岩木川下流の芦野頭首工地点と蟹田川河口地点の2箇所で行った。実験は、対象魚(イトヨ、ワカサギ、ウキゴリ、ヨシノボリ、シロウオなど)の遡上時期に合わせて行い、おもに5月に集中して行った。実験装置は,内径横5.0cm×縦3.0cm,長さ230cmの長方形透明アクリルパイプで、供試魚を長方形パイプ内に挿入する傾斜型スタンドパイプと流速調節用バルブ,フレキシブルホ-スから構成されている。遊泳速度の計測方法は,内径横5.0cm×縦3.0cm,長さ230cmの長方形透明アクリルパイプで遊泳速度の計測方法は,長方形管内に流速を与え一定距離の遊泳時間を計測するととに高速度カメラを併用して尾ひれの動きを解析した。供試魚採取は各関係機関と地元河川漁協の協力を得た。今年度の実験から、シロウオの突進速度と遊泳限界流速、イトヨと小型のワカサギの遊泳速度と遊泳運動特性、ウキゴリの遊泳行動に関して、全長と遊泳速度,および尾ひれの振動数に関する図が得られた。遡上時期での実験のため、次年度以降もデータをさらに蓄積する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2か所での現地実験に際し、気象条件にも幸いして供試魚の遡上時期にあたる5月に集中して実施することができた。供試魚採取は各関係機関と地元河川漁協の協力を得ることができた。今年度の実験で得られた知見の一部については、農業農村工学会応用水理研究部会講演会で発表した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降も、青森県岩木川の芦野頭首工地点と同蟹田川の河口地点の2か所で、現地遊泳実験を継続する。実験に際しては、供試魚の採取も今年度と同様に実績のある関係機関と地元河川漁協の協力を得る。実験装置を改良しながら供試魚の個体数を蓄積して、データの解析精度を向上させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
現地実験に必要な物品と実験装置作成にかかる費用が当初予定額より少ない額になったことがおもな理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度では、今年度の実験を踏まえて実験装置に改良を加える予定をしていることと、現地実験の回数を増やす予定であり、これらに必要な費用に充てる計画である。
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