アンカーの維持管理においてアンカーが示す緊張力は,リフトオフ試験あるいは荷重計により評価される。本研究では,リフトオフ試験を容易に行えるSAAMシステムを用い,アンカーのり面の残存引張り力の分布を求めるとともに,アンカーに荷重計を設置し,アンカー荷重と温度との相関について検討を行った。その結果,残存引張り力は背面地山の条件によって変化し,一様な分布を示さないこと。また,アンカー荷重と温度との相関は,安定したのり面では両者の相関が高く,変状の見られるのり面では相関が大きく低下することが明らかとなり,アンカー荷重と温度との相関を基にアンカーのり面の安定性を評価出来ることが明らかとなった。
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