本研究の目的は,岡山県新見市南東部に位置するカルスト台地上の果樹園地域を対象に,現地代表地点での気温測定値から翌朝の最低気温を予測し,インターネットを介して予報を付した気象データを配信するシステムを構築することである。本研究の研究手順は,(1)現地の代表地点と周辺十数地点で気温を測定し,代表地点の測定データはネットを介して研究室へ転送する。測定項目は,気温以外に,代表地点で放射冷却の強さを評価するため日射量,大気放射量そして純放射量と,風向風速を,また降水量も合わせて測定している。(2)翌朝の最低気温の予測方法としては,以前の測定データをもとに,夕刻から翌朝までの気温低下量を目的変数として,気温と日射量等を説明変数として月別に重回帰式を定めて,代表地点における予測値を決定する。傾斜地内の他地点の最低気温は主として代表地点との標高差から予測する。という方法を採っている。(3)予報方法としては,研究室のパソコンで気象サービス会社のサーバーから測定データをダウンロードして,月別に定めた推定式により翌朝の最低気温を推定する。ホームページに,その予測値と現地での測定値と併せて表示し公表する。 本年度は最終年度にあたり,推定方法の検討と推定結果の検証を実施して報告書にまとめた。
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